『まぁ』の小部屋

hide、yukihiro好き三十路女の『雑居ブログ』

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2008.01.09 Wed

姑獲鳥の夏 (講談社文庫 1998/09)映画がレンタル出来ず、原作を購入です。
ミステリー好きですが、実は京極夏彦、初購読です。
それにしても、本当に分厚い。ミステリーは解決が気になるので一気読みですが、初めて一気読み出来なかった作品です。
ネタバレ感想はmoreよりどうぞ。
※詳細は画像クリックで見れます。

主人公・関口が、先輩・藤牧から預かった恋文を渡した相手、
そして、藤牧が逢瀬を重ねた相手は、姉の涼子だろうとは、
ミステリー好きなら途中で気づくと思います。

だけど、それが涼子じゃなく、第二の人格「京子」だった。
更に、多重人格だったことが予想外で面白かったです。

単純に、涼子が恋人の子を産み、その子が異常児だったショックで、
他の子供をさらって殺していた、というだけの話なら、わたしは次の
京極シリーズを買わなかったと思います。

意外だった点、
 ・子供をさらったのが、涼子の第二の人格である「京子」
  そして、殺したのが第三の人格である「久遠寺の母」だったこと。
  それぞれ違う人格がいて、それぞれの役割を果たしていたこと。
 ・菅野博行というロリコンが、子供時代の涼子を凌辱したことが原因で
  涼子が二重人格になったこと。
 ・妹・梗子の異常妊娠は、単なる「想像妊娠」だった。
 ・藤牧を本当に殺したのは、第三の人格「久遠寺の母」だった。
でしょうか。

悲しかったのは、妹・梗子と、その夫・藤牧の擦れ違いです。
梗子は、夫が、昔、姉と関係があったことを知らないし、夫・藤牧は、
昔の恋人は妻・梗子と思ってるから、話が通じない理由が分からない。
通じない理由を、夫は自分が戦争で不能者になったせいと思いこんで、
悲劇が起きたわけですね。

もっと『夫婦』として話せていたら、悲劇は避けられたかも知れません。
でも、涼子を梗子と間違えた時から、ボタンの掛け違いが起きていた
わけですが。

久遠時の姉妹はどちらも被害者のように思えます。
妹・梗子は普通の娘で、姉・涼子は子供の頃の凌辱のせいで、
人格分裂を起こした。
涼子が犯罪を起こしますが、可哀想だと思ってしまいます。

涼子が人格分裂を起こすところ、「催眠」(松岡圭祐)ぽいですね。

慣れると、あの戦後の時代背景と独特の口調も面白いし、
予想外の展開もいくつかあって、悲しいけれど楽しめました。
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